2021 年 77 巻 6 号 p. II_159-II_169
豪雪地帯の特徴的な社会インフラである融雪システムが地中熱利用に与える影響を明らかにするため,石川県工業試験場(石川県金沢市)に導入した地中熱ヒートポンプシステムの実証実験データを整理し,これらデータを解析した.実証実験データより,積雪時において地中熱ヒートポンプシステムの性能向上(10%程度の消費電力量削減)が認められた.これは,融雪システム稼働時の地下水揚水により生じる人工的な地下水流動が原因である.また,実証実験の再現計算結果より,実証実験期間中に見かけ熱伝導率が変動したことが明らかとなった.見かけ熱伝導率は積雪時にほど大きい値(2.1~2.6W/(m・K))を示し,既往研究データと比較したところ,推定値は妥当であることがわかった.以上より,融雪システムが地中熱利用に与える影響を定量的に示すとともに,フィールドデータを用いて有効熱伝導率と見かけ熱伝導率の関係性を明らかにした.