2021 年 77 巻 6 号 p. II_171-II_181
バイオガスプラント導入による環境効果を定量化する手法を提案した.酪農地域における炭素循環と窒素循環の詳細を明らかにすることで,バイオガスプラント導入前後での温室効果ガス(GHG)排出量,窒素溶脱量を評価し,その差をもってバイオガスプラント導入の環境効果を定量化する手法である.炭素・窒素循環の詳細検討を行うために,入手可能な様々な統計・実測データをもとに検討における条件を設定した.北海道の酪農地域を想定した4万頭規模の仮想酪農地域モデルを構築し,提案手法を用いてGHGの削減量および窒素溶脱量の増加を定量的に評価を試みた.提案手法の評価の妥当性検討を行い,評価精度の改善に必要な項目を考察した.