2022 年 78 巻 5 号 p. I_441-I_449
本研究はエネルギー技術選択モデルを用いて,岡山県真庭市で2050年までにCO2排出量を大幅に削減するエネルギーシステム像を明らかにした.分析の結果,対策を実施しないシナリオにおいても2050年に2015年比58%削減を達成可能であること,緩和策の実施により2015年比85%削減が達成可能であることが示された.主な緩和策としては,発電部門・産業部門での地域内バイオマス資源の活用,太陽光発電等による電力自給率100%の達成,電気自動車の普及が選択された.また,産業部門の化石燃料をすべてバイオマスに転換するような極端な対策を実現しない場合,産業部門でCO2排出量が残存する可能性があることが示された.この残存排出を埋め合わせて地域の脱炭素を達成するためには,植林の実施や合成燃料の利用などの追加的な対策を検討する必要があるといえる.