2020 年 76 巻 1 号 p. 253-263
令和元年東日本台風により宮城県丸森町筆甫において日降水量558mmを記録する大雨が発生した.この大雨により,同町を流れる阿武隈川支川の内川・五福谷川・新川流域で大規模な土砂・流木災害が発生した.今次台風による土砂・流木災害について現地調査を実施し,被災状況の確認を行った.加えて,発生要因の分析を行うために,平成29年7月九州北部豪雨による大規模土砂・流木災害に対して最適化されたロジスティックモデルを適用した.さらに,今次災害に最適化したモデルの構築も試みた.その結果,素因である地質条件が今次災害の甚大化の主要な要因であること,ならびに近年で最大規模の流木災害をもたらした29年豪雨に匹敵する規模の土砂・流木災害が今次台風により丸森町で引き起こされたことが明らかとなった.