2020 年 76 巻 1 号 p. 274-283
2019年台風15号(Faxai)は強い勢力を保ったまま関東地方に襲来し,横浜市の本牧ふ頭や福浦地区で護岸の倒壊や越波による浸水被害が生じた.台風による被災メカニズムを明らかにすることは今後の護岸整備のために重要であることから,本研究では,福浦の護岸を対象に実験及び数値シミュレーションにより被災メカニズムを検討した.福浦地区の護岸はパラペットが護岸法線よりも背後に位置する後退パラペット型の護岸であり,護岸法線から飛び出した水塊がパラペットに衝突して非常に大きな波圧が作用し,パラペットが倒壊したことが分かった.また,パラペットが倒壊しなかった箇所での越波量は少なかったのに対し,パラペットが倒壊して高さが1m低くなった箇所では越波流量が約4.5倍増加していたことが分かった.