2020 年 76 巻 2 号 p. I_709-I_714
本稿では,韓国・蔚山広域市中区太和洞を対象にC++言語によるマルチエージェント避難シミュレーションモデルを構築し,当該地域における最適避難に関する検討を行った. 具体的には浸水時避難所の立地や規模などに関する定量的基準がない太和洞の実情に即して年齡別避難所要時間の分析など,当該地域において必要な避難戦略について検討した. また,想定時間内に避難が困難な場合は臨時避難所を指定するなど,避難時間の短縮について検討した. 本研究は,最適避難経路の提示だけではなく,道路整備や避難施設の設定など,事前対応資料として活用できると考える.