2021 年 77 巻 2 号 p. I_1495-I_1500
平成30年7月の西日本豪雨により,倉敷市真備町では小田川と3つの支川が決壊し,死者51名の甚大な被害となった.その後の令和元年台風19号による豪雨や令和2年7月豪雨による洪水においても多くの河川が氾濫し多数の犠牲者が出た.このような大規模水害時に犠牲者を出さないためには,内水氾濫と外水氾濫による浸水水深・流速の時間的変化から適切な避難経路を選択し,できるだけ早く安全な避難行動を取ることが重要である.本研究では,倉敷市真備町を対象に降雨による内水氾濫と堤防決壊による外水氾濫解析結果を用いて,動的に最適避難経路を検討し,避難場所や安全な避難のための避難開始時刻の検討を行った.その結果,避難場所を追加することの必要性や安全な避難開始時刻を明らかにした.