抄録
誰もが楽しく快適に回遊できる中心市街地の創出は,都心の活性化に向けて重要な検討事項である.とりわけ少子化対策が喫緊の課題となっている我が国においては,子連れであっても回遊しやすい中心市街地を整備していく必要がある.そこで本研究では,福岡市の天神地区を来街した人を対象として行ったアンケート調査を基に子連れ来街者と一般来街者の回遊行動の比較から,子連れ来街者の回遊特性を明らかにした.
その結果,子連れ来街者と一般来街者では回遊行動の違いがみられ,来街手段から滞在時間,目的,地区で訪れるエリアまで異なっていることが明らかになった.また,子連れ来街者の方が回遊に対する満足度が低く,特に子供向けの娯楽や休憩施設の少なさに対する不満がみられ,その理由を明らかにしている.