2023 年 79 巻 21 号 論文ID: 23-21021
低温ひび割れ部の詳細調査として実施された白糠開削調査にて,損傷部の下層路盤表面が黒色に変化していることが確認された.これは,アスファルト混合物の一部が劣化により細粒化してその微粒分が路盤に移行,また水の作用で骨材からはく離したアスファルトが路盤に沈降したと考えられる.そこで本研究では下層路盤表面から試料を採取し,アスファルトの含有量の確認と性状試験を実施するとともに,含有するアスファルト量の面的分布や酸化劣化度を評価した.さらに,健全部のアスファルト混合物の性状および深さ方向での劣化進行度を把握し,下層路盤に沈降したアスファルトの性状と比較した.