2023 年 79 巻 6 号 論文ID: 22-00318
底流と越流が複合したゲートは底流方式と越流方式の利点を保ちながらそれぞれの方式が有する欠点を回避できる可能性があり,流域治水の面から期待される.しかしながらその定量的な評価を目指した研究の成果で設計に耐える十分なものはないようである.本研究では,現実で重要と考えられる流れの組合せとして底流(自由流出・潜り流出)と完全越流が複合したチェックゲートをすぎる流れについて,基礎的実験により水深と流量の間の関係を検討すると共に,底流と越流の流量を既往の研究成果を利用して個別に評価しその合計の流量を見積もることを試みた.得られた合計流量の計算値と実験値との比較から,流量の計算値は一定の水理条件の範囲内で実験結果と良好に一致することが示された.