2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17135
Java島北岸に位置するIndramayu西部において,東端・西端をCimanuk川とCipunagara川の鳥趾状河口デルタに挟まれた幅29kmのEletan Bay沿岸を対象として,衛星画像による汀線変化比較,現地調査とUAVによる斜め画像の撮影を組み合わせた侵食状況調査を行った.これによれば,湾の両端に流入する河川からの流入土砂は河口デルタの発達に寄与するのみで,湾内沿岸にはほとんど供給されない条件にあった.この条件下で東寄りの入射波に起因した漂砂が起きていたが,海浜が粒径の小さな(平衡勾配の小さな)材料により構成されているために,侵食により発生した土砂が汀線付近に留まることができず,汀線後退域に見合った汀線前進域が形成されず,砂が沖合へと流出していることが分かった.