2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18182
サンゴ礫州島の形成・維持機構については,これまで現地観測や移動床実験,数値解析により検討されてきており,特定の自然条件下でサンゴ礫が干出し,島が形成され得るということが定性的に把握されている.著者らは,サンゴ礫州島保全のためにサンゴ礫集積促進対策工として,透過型サンゴ礫捕捉工を考案し現地実証試験を行ってきた.
本研究では,既に実施してきた試験結果に基づき、トラップ部への流入を促進するスロープと流出を低減する庇を設ける改良を行った.その結果,改良したスロープと庇により,流入促進および流出低減の両面において改良の効果が見られた.また,移動限界シールズ数から推定した波の底面軌道流速によりサンゴ礫が移動する条件時における波向とトラップ周辺での堆積にみられるサンゴ礫の移動特性が整合した.