2024 年 80 巻 25 号 論文ID: 24-25016
本研究では,農業廃棄物であるドリアンの果皮を原料としたバイオチャー(BC)を用いて水試料および下水処理水に含まれる9種類の抗菌性物質の吸着除去を検討した.BCによる水試料中の抗菌性物質の吸着能は,市販の活性炭(AC)に比べて劣るが,BC濃度を増加することで抗菌性物質濃度を低減できた.水試料中のクラリスロマイシン(CLM)のBCへの吸着はLangmuirモデルの吸着等温式と擬2次速度モデルに適合し,CLMの最大吸着量は5.16mg/gであり,他の研究報告と比較しても妥当な結果であった.下水処理水に残留する抗菌性物質についてもACの方が高い吸着能を示したが,BC濃度を増加することでスルファメトキサゾール(SMX)以外の抗菌性物質の吸着率を80%以上に向上できた.