2024 年 80 巻 26 号 論文ID: 24-26015
脱炭素社会への転換を実現するため,消費者側の行動転換とその転換を促すしくみが必要であり,気候市民会議を通じて,広く受け入れ可能な脱炭素化のしくみを明らかにすることが有用である.自治体の気候市民会議の国内4事例と英国2事例を参考に,つくば市を対象に,現時点での国内で最良の気候市民会議を目指した詳細設計を行い,実施した.政策反映を事前に約束したこと,謝礼の金額を増やしたことにより,ミニ・パブリックスを構成するため多くの参加希望者を獲得することができた.また,広く多様な意見を収集する機会を設けたこと,行動の転換としくみの転換を同時に考えることなどの工夫により,市民の意見を十分に踏まえた提言が得られた.提言はもれなく実施の時期を示すロードマップの形に整理され,地球温暖化対策実行計画等に反映される.