2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16033
本研究ではドロマイトのCT画像群から間隙構造を評価するとともに,構築した間隙モデルでの数値計算によって流動・輸送特性を評価した.連結間隙の塊である間隙クラスターは小さなものほど多数存在し,Box counting法による分析で間隙がフラクタル性を示すことがわかった.岩石内部の生物遺骸の形状に起因して,間隙構造がフラクタル性を示した可能性がある.また,間隙の標本バリオグラムは等方的であり,指数モデルへの適合性が高かった.流れ解析で取得した流速場は不均質であったとともに,流速の極めて小さいデッドエンドポアが確認された.また,輸送解析で得た下流面でのBreakthrough Curves (BTCs)はペクレ数が高いほど顕著なテーリングを呈した.これはデッドエンドポアの影響によるものと推察される.