抄録
本研究では,西表島網取湾の造礁サンゴの分布特性とそれに関わる物理環境を明らかにするために,湾内26地点の詳細なサンゴ分布調査,CTDなどを用いた海洋観測および湾奥の2河川の流量観測を行った.また,得られた観測データを初期・境界値とした数値シミュレーションを行い,網取湾の流動,水温,波浪および土砂の数値解析を実施した.
その結果,小さな湾であるものの河川からの土砂流入や波浪などの影響が湾内の場所によって大きく異なり,それに伴ってサンゴの被度分布も大きく異なることが明らかとなった.特にサンゴの被度分布と波浪は大きな関係を持ち,波浪が発達しやすい場所で卓状サンゴは被度が大きくなる一方で,枝状サンゴは被度が小さくなることが示された.