抄録
陸域から沿岸域への栄養塩供給機構を考察するために,鹿児島県の吹上浜流域における淡水量を水収支式を用いて巨視的に推定した.流域平均雨量は,概ね2,200mmと全国平年値1,683mmより多い.流域の平均値として,降水量に対して河川流量が29.7%,地下水量が36.6~37.8%,流出量に対して河川流量が44%,地下水量が55.3~56%であった.降水量の多さと,シラスで代表される火砕流台地という地質的条件等によって,地下水量が多く存在することが推定される.すなわち,吹上浜流域一帯では栄養塩供給機構として地下水流量が2次的に重要であることが示された.