抄録
富士海岸背後の浮島ケ原を流れる高橋川と沼川の合流点付近では,洪水の危険度が高いため新放水路が計画された.計画では,放水路吐口をバームより陸側にすることにより漂砂による堆砂を防ぎ,建設費を低減可能な方式として新たにセットバック型が提案された.一方,富士海岸の沼津付近では既に暗渠型の新中川放水路が設置され,有効に機能する一方,新放水路の計画地点付近にはセットバック型に近い排水路が設けられている.そこでこれらの放水路周辺の地形特性を比較し,放水路形式の相違が周辺地形に及ぼす影響について考察した.