2022 年 78 巻 2 号 p. I_649-I_654
大阪湾の漁獲量は1990年代後半から急減している.神戸市沖でも,春の風物詩“いかなご漁”や,“須磨のり”で有名な海苔養殖などは,近年不漁が続いている.これらを踏まえ,本研究では,地域の環境保全活動団体,水利権者,漁協,研究機関(高専)の4者の連携の下,水辺空間改善と水産資源の回復を目的とした社会実装を実施し,浮桟橋に設置した陸域負荷充填のコンテナ内での生物蝟集効果等を確認した.ただし,時間の経過によって栄養塩溶出の低下もあり,充填物の定期的な補充の必要性も示唆された.