2020 年 76 巻 2 号 p. 239-254
損傷した鋼部材に軽量かつ強度の高い炭素繊維強化樹脂(CFRP)を接着して補修・補強する工法が適用され始めている.定着長が確保された接着接合部の耐力・強度は,エネルギー解放率を用いて算定することが「FRP接着による構造物の補修・補強指針(案)」で示されている.高弾性型のCFRP板やCFRPストランドシートは,輸送や施工の面から長さが制約されることがあり,CFRPに継目を設けて施工する場合がある.本研究では,軸力および等曲げモーメントが作用する条件において,継目および段差を有するCFRP接着鋼板のCFRPの継目位置およびCFRP端部のエネルギー解放率の式を導出した.また,理論解析およびFEM解析の結果より,本研究の対象モデルでは,CFRPの継目位置よりもCFRP端部のエネルギー解放率が大きくなることがわかった.