2021 年 77 巻 2 号 p. 271-286
複数の損傷モードに対する地中構造物のフラジリティ曲線を評価する手法の提案を目的とし,まず,海水管ダクトを対象として曲げ破壊とせん断破壊に関するフラジリティ曲線を評価した.ここで,せん断破壊については,破壊の生起可能性が最も高い隔壁を対象として評価した.次に,両損傷モードの損傷確率を連結する考え方とフラジリティ曲線の評価手法を提案し,評価事例を示した.両損傷モードのフラジリティ曲線より,曲げ破壊,せん断補強筋を考慮したせん断破壊,それぞれの損傷確率50%を与えるPGAが2063Gal,2067Galと同程度となり,両損傷モードが生起する可能性があることが分かった.また,連結による構造体の損傷確率は各損傷モードに対する値より大きく,個別の損傷モードに対するリスクは過小評価となると考えられる.