日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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孤立性胃静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法
単独例および経カテーテル治療併用例の検討
本田 泰啓松村 雅彦小泉 雅紀梅本 典江森安 博人上田 重彦折橋 透米田 諭福井 博
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1997 年 3 巻 2 号 p. 155-158

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抄録
孤立性胃静脈瘤 (S-GV) に対して, イオパミドール混和5%エタノールアミンオレエイトを硬化剤として用いた内視鏡的硬化療法 (EIS) を施行し, 治療成績を検討したところ満足のいく成績が得られた.しかし, EIS単独でS-GVを消失させる方法は施行回数や硬化剤の使用量の面からみてなお改善の予知があると思われた.そこで, 胃腎シャント閉塞下 (shunt-occluded) や, 経頸静脈肝内門脈大循環シャント術 (TIPS) や, バルーン下逆行性経静脈的塞栓術 (B-RTO) などの経カテーテル治療を併用したEISを試みた.症例数は少ないながらもこれら経カテーテル治療を併用したEISは非常に満足の行く治療成績が得られた.S-GVに対しては外科手術以外にもいろいろな治療法がなされているが, S-GVの血流減少を図ることが治療成績をより高めるものと思われるため, 経カテーテル治療併用EISのような併用療法 (combinedtherapy) が積極的になされるべきと考えられる.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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