2022 年 78 巻 1 号 p. 88-101
臨海部や感潮河川付近に位置する鉄道シールドトンネルでは,RCセグメントに塩化物イオンの影響による鋼材腐食が見られることがある.本研究では,まず,腐食促進実験による塩化物イオン浸透状況の観察により,継手付近に特徴的な塩分浸透特性を把握した.次に,塩害劣化を想定したセグメント覆工模型の載荷実験を行い,継手鋼材の腐食により継手部の回転剛性が低下する等,力学的挙動への影響を確認した.さらに,継手鋼材の腐食の影響を考慮できる有限要素解析法を提案するとともに,三次元FEMによる解析結果を実験結果により検証し,手法の妥当性を確認した.