2018 年 2018 巻 p. 20180012
本報告では、ハイパフォーマンス・デザインパターンについて紹介する。これはHPC環境のためのデザインパターンであり、主に比較的サイズの小さな抽象データ型をC,C++,Fortranなどのライブラリとして実装するためのものである。ここでは抽象データ型の一つ一つのデータがそれぞれ複数のスカラー変数の組として表現され、また関連する手続き群については関数やサブルーチンではなく、プリプロセッサマクロとして実装される。例として、連続体力学での利用を想定しベクトル、テンソルや小規模行列演算を対象とするAutoMTライブラリをとりあげ、本手法に基づき性能最適化を行い、またそのベンチマーク結果を示す。