2011 年 20 巻 2 号 p. 25-32
子どもの「泣き」に対する看護師の関心を深めると共に、泣きに対するケアを改善する目的で小児専門の病棟で働く看護師を対象として、疾患を持つ乳幼児の「泣き」について共に考え、学ぶ機会を創り出すというアクションリサーチを行った。具体的なアクションとして「子どもの泣きについての勉強会」を企画し、参加者の希望や意向に応じた勉強会を進めながら、乳幼児の「泣き」について共に考えるというプロセスを繰り返した。その結果、参加者は勉強会の場で乳幼児の「泣き」のケアを共有、言語化し、「泣き」に対するケアの基準を作成していった。実践の場でも「泣き」のケアを共有、言語化し、基準をもとにケアを実践するという変化を起こした。乳幼児の「泣き」に伴う参加者の負の感情がケアの共有を阻んでいたこと、「泣き」に対するケアが共有できるという気付きが、参加者の「泣き」に対する意識やケアを変化させるきっかけになっていたことが考察された。