日本小児看護学会誌
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研究報告
在宅療養児の母親が医療的ケアを実践するプロセス
草野 淳子高野 政子
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2016 年 25 巻 2 号 p. 24-30

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抄録

 目的 : 医療的ケアが必要な子どもの母親が在宅で医療的ケアを実践するプロセスを明らかにする。

 方法 : 医療的ケアが必要な在宅療養児を持つ母親15人を対象に、半構成的面接を行った。データの分析は修正版グランデッド・セオリー・アプローチを用いた。

 結果 : 『ケアの根拠への気づき』、『分析的思考の取得』、『察知可能になる』の3つのカテゴリーを生成した。子どもの退院直後は、母親は子どもの状態は酸素飽和度の値で判断していた。母親は探索的行動をし、『ケアの根拠への気づき』をしていた。その後母親は、状態悪化時の『分析的思考の取得』ができ、子どもの微妙な変化が『察知可能になる』ことができていた。

 結論 : 母親が、医療的ケアを実践するプロセスは3段階であり、段階に応じた看護師の支援が必要である。最終段階では、母親はわが子に対して、専門家より熟練したケア提供者となり、看護師は実際的サポートや緊急時の判断を求められていた。

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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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