2021 年 49 巻 1 号 p. 30-36
自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症などの神経発達症では, てんかん合併や脳波異常を認める頻度が高い。また, 行動上の問題を抱える小児ではけいれん発作の有無によらず, 脳波上てんかん性突発波を認めることが多いとされおり, 神経発達症とてんかん児における行動障害において病態としての類似性が想定されている。両者における行動異常の病態には前頭前野との関連が推察されており, 発作の難治化・脳波異常の長期化が前頭前野の成長障害を惹起し, 行動障害がもたらされている可能性が示唆されている。加えて, 神経発達症において前頭部突発波およびその出現頻度が行動異常と関連を有していることが推察され, 抗てんかん薬は前頭部突発波の改善にあわせ, 行動異常の改善ももたらす可能性も示唆されている。神経発達症の行動異常に対して, 脳波所見 (突発波の出現頻度および前頭部突発波の有無) を鑑みた対応が重要である。