2013 年 1 巻 2 号 p. 170-174
【緒言】近年腎移植数とともに高齢者への移植の割合が増加している。本研究では60歳以上の生体腎移植レシピエントにつき背景,特徴,臨床成績につき検討した。【対象・方法】1998年3月より2012年7月までに実施した生体腎移植68自験例を若年群(60歳未満)と高齢群(60歳以上)にわけ,両群の患者背景,ドナーの背景,組織適合性,移植腎機能,急性拒絶反応,CMV感染症,術後合併症,患者生存,移植腎生着率を比較検討した。【結果】若年群と比べ高齢群において有意に配偶者による提供の割合が高く,HLAミスマッチ数が多かった。移植腎機能,急性拒絶反応,CMV感染の発症率に有意差を認めず,患者生存率および死亡を除いた移植腎生着率に有意差を認めなかった。【結論】60歳以上の高齢慢性腎不全患者への生体腎移植では若年者と同等の結果が期待できることが示唆された。