日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
症例報告
腎移植後にエベロリムスによる巣状分節性糸球体硬化症が疑われた1症例
児玉 卓也姫野 智紀島本 侑樹長谷川 雄基青木 太郎西川 涼馬二村 健太岡田 学平光 高久鳴海 俊治武田 朝美渡井 至彦
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2025 年 13 巻 1 号 p. 67-70

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抄録

症例は52歳男性。X-4年に血液透析導入,X年6月に父をドナーとした血液型不一致生体腎移植を施行した。術後,エベロリムス(everolimus:EVR)を含む免疫抑制療法を行った。X年8月に尿蛋白3g/gCrまで増悪し,EVRの減量とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensin Ⅱ receptor blocker:ARB)の追加により一時的に減少したが,その後再び増悪し,X年6月に腎生検を実施した。係蹄内に泡沫細胞を中心とした炎症細胞浸潤,およびポドサイトの変性・増生を認め,巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)の所見を呈していた。二次性FSGSと診断し,減量指導およびEVRをミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil:MMF)に変更した。その後も改善が乏しく,腎機能の悪化を認め,X+1年6月に2回目の腎生検を実施した。FSGS病変は残存し,全節性硬化糸球体の割合は増加し,間質線維化/尿細管萎縮の進行も認めた。EVRにより高度尿蛋白が持続する場合は,FSGSの発症を考慮する必要があり,不可逆変化に至る前に早期対応が必要であると考えられる。

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