2025 年 13 巻 1 号 p. 67-70
症例は52歳男性。X-4年に血液透析導入,X年6月に父をドナーとした血液型不一致生体腎移植を施行した。術後,エベロリムス(everolimus:EVR)を含む免疫抑制療法を行った。X年8月に尿蛋白3g/gCrまで増悪し,EVRの減量とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(angiotensin Ⅱ receptor blocker:ARB)の追加により一時的に減少したが,その後再び増悪し,X年6月に腎生検を実施した。係蹄内に泡沫細胞を中心とした炎症細胞浸潤,およびポドサイトの変性・増生を認め,巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)の所見を呈していた。二次性FSGSと診断し,減量指導およびEVRをミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil:MMF)に変更した。その後も改善が乏しく,腎機能の悪化を認め,X+1年6月に2回目の腎生検を実施した。FSGS病変は残存し,全節性硬化糸球体の割合は増加し,間質線維化/尿細管萎縮の進行も認めた。EVRにより高度尿蛋白が持続する場合は,FSGSの発症を考慮する必要があり,不可逆変化に至る前に早期対応が必要であると考えられる。