腎移植後のBKウイルス(BKV)感染に関しては,血漿を用いたPolymerase chain reaction法や尿細胞診による再活性化のスクリーニング,先行的な免疫抑制薬の減量などの対策が浸透したため,近年では血清クレアチニン値(sCr)の上昇を伴い,エピソード生検により診断されるBKウイルス腎症(BKVN)の頻度は低下している。ただし,BKVNに進展した場合,現在でも免疫抑制薬の減量が主な治療法であり,この場合,免疫抑制薬を元に戻す時期が明らかでない上,免疫抑制薬を減量しても,sCrはすぐに低下せず,むしろ上昇する例が多くみられる。sCrが下がらない場合,①免疫抑制薬の減量に伴い発症した急性拒絶反応,②免疫力の回復により感染症の病態が増悪する免疫再構築症候群(immune reconstitution inflammatory syndrome:IRIS)の2つの可能性を考えなくてはならない。本稿では,当院のBKVNに行った再生検の病理所見と臨床経過を検討し,BKVNがIRISを経て治癒していく経過について考察する。