2022 年 6 巻 s2 号 p. s111-s114
本報告では、蚕糸業の品種改良に用いられた「繭標本」のデジタルアーカイブとジャパンサーチへの公開例について報告する。自然科学、人文科学双方の領域にまたがる博物館コレクションは、資料の所在が認知されず十分に活用されない課題があった。東京農工大学科学博物館に所蔵する「繭標本」は中央教育研究機関であった東京蚕業講習所が品種改良研究と教育に用いた資料標本である。本資料を自然史資料と人文学資料の横断型資料と位置付け、デジタル化とジャパンサーチへの公開を行った。自然史資料の人文科学的視点でのアーカイブにおける課題の抽出と、横断型ポータル公開の効果について考察する。