2025 年 9 巻 s2 号 p. s170-s173
米国連邦政府では2025年1月の第2次トランプ政権の発足以降、政府支出の削減や、従来の政府のイデオロギーからの転換を理由として、多領域にわたる情報提供活動について大幅な縮小や、ウェブ上の情報の削除・改変を強行している。これに対し、多くの専門家団体などが、現状の把握と情報発信に取り組み、意見表明などを公示するアドボカシー活動を行っている。特に現地の図書館員らは、実際に削除・改変などが生じたウェブサイト等の具体的種類の提示や、デジタルアーカイブの一種としての代替データの提供などに取り組んでいる。実は、1980年代のレーガン政権期にも、現在と同様の背景のもとで政府刊行物の発行の停止・縮小が成される中、その実情を逐一記録し公開する取り組みを、米国図書館界は行い、この記録は現在ではデジタルアーカイブとして確認可能である。本発表ではこうした活動について概観し考察する。