本稿では、「消滅危機言語デジタルアーカイブ」の公開内容と特徴、制作過程や工夫、現在の課題について解説する。これは、各言語の話者が住む地域を示すマップや、実際の暮しの様子を捉えた写真等を閲覧しながら、国内外の研究者による言語の概要と話者の生活環境等の説明を閲覧できるコンテンツである。ArcGIS StoryMapsとRe:earthを組み合わせることで、単なる言語データベースにとどまらず、視覚的・体験的に「言語の生きた姿」に触れられるアーカイブを実現している。今回は、主にユーラシア地域のショル語、ユグル語、キルギス・ドンガン語、満洲語、カラチャイ語の5種を取り上げる。本アーカイブにはショル語話者による絵画と詩を集めた「絵と詩 少数民族ショルのこころ」も収録される。これにより彼らの世界観や自然観を、作品そのものだけでなく音声資料とともに体験できる。現在、本アーカイブは資料収集・整理している段階であり、今後更に管理体制を整え、利用者に提供できるようにする。