2019 年 52 巻 7 号 p. 451-455
透析アミロイドーシス (DRA) の原因蛋白は不可逆性にunfoldしたアミロイド化β2ミクログロブリン (A-β2M) であるが, そのアミロイド化の過程で部分的にunfoldした中間体の存在が確認されている. 今回, 血液透析患者の血清中β2MをLC/MS分析で解析した. 保存期腎不全患者, 導入期血液透析患者, 長期血液透析患者の血清β2Mでは+7価から+10価までの4個の荷電スペクトラムが確認された. 一方, 正常β2Mでは+7価, +8価に, A-β2Mでは+9価, +10価にピークを認めたため, (9価+10価) / (7価+8価) をMS Index (MS-I) として検討した. MS-Iは保存期1.70±0.13, 導入期1.90±0.13, 長期1.79±0.25と各患者群で差を認めなかった. アミロイド組織ではMS-Iは4.15, 7.33と高値であった. LC/MS分析でも血液透析患者の血清中にアミロイド原性を有するA-β2Mは認められず, 血管外に移行した中間体β2Mの一部でunfoldingが進行し, これが蓄積してDRAが発症するというshuttle仮説に合致する結果であった.