抄録
原発性アミロイドーシスによる慢性腎不全患者で, 著明な甲状腺機能低下症をきたした症例を報告した.
患者は20歳の男性で, 血液透析に導入したものの, シャントの閉塞をきたし, また低血圧傾向が強いため, 血液透析が困難となり, CAPDに移行した. CAPDによって心循環系の問題は回避されたものの, 急激に昏睡状態に陥った. 甲状腺機能が著明に低下しており, 粘液水腫性昏睡と判明したため, 甲状腺ホルモン補充療法を開始して回復をみた.
原発性アミロイドーシスの診断は上行結腸および直腸粘膜の生検によって行った. 当初は激しい消化器症状を認めたが, CAPD導入後6か月ほどで消失した.
原発性アミロイドーシスによる腎不全の管理において, CAPDが有用であることを強調した. また慢性腎不全における甲状腺機能検査の心要性にも言及した.