今日まで,救急医療は三次中心にその重傷度によって,三次・二次・初期と分けて構築され機能してきた。しかし,社会構造の変化,特に完全な少子高齢社会による救急に対するニーズの変化,一方で医療構造(制度を含めた)による医療提供側の変化により,現状に合わないものになってきている。今まで,すべて右肩上がり(経済も,人口も)の状況を想定しての施策・システムが構築され(インフラの整備等)てきたが,今後は人口減少社会・右肩下がりの社会を想定して高齢人口の増加,きめの細かさを求める医療ニーズを考え,二次そのもののあり方を“地域”という単位で再構築することが必要である。