日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
左主幹部心筋梗塞に深在性真菌症を合併しボリコナゾールの投与が功を奏した一救命例
宮本 哲也栗林 佐智子松本 大典村田 武臣黒田 祐―小澤 修―
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2007 年 10 巻 4 号 p. 453-458

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抄録

症例:57歳,男性。胸部圧迫感と冷汗のため当センターヘ搬入された。収容時よリショック状態であり,心電図及び心エコーより左主幹部心筋梗塞を疑い,まず,人工呼吸管理を行い,循環動態の安定を目的に経皮的心肺補助法,大動脈内バルーンパンピングを導入した。同時に冠動脈造影を施行した結果,#5に90%の狭窄と造影遅延像(TIMI flow grade Ⅱ)を認め,ステント留置を行った。peak CPK 18240と広範囲の梗塞を認めた。ただし,第5病日より炎症所見の上昇を認め,抗生物質投与行うも効果なく,血液培養よりCandida albicansが検出された。ミカファンギンナトリウムを投与するも腎機能及び呼吸循環状態の悪化を伴い,敗血症も合併しきわめて重篤な状態となった。抗真菌剤をボリコナゾールヘ変更し,その後は炎症反応,呼吸循環状態は次第に改善し救命しえた。

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© 2007 日本臨床救急医学会
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