2007 年 10 巻 5 号 p. 494-498
当院における大規模で現実的な災害トリアージ訓練を実施するにあたり,①費用,②人的資源,③現実的な訓練とするための工夫(模擬患者の演技,特殊メイク,シナリオ),④災害医療と訓練に関する知識の共有方法,⑤訓練の評価,が問題点としてあがった。日常診療への影響を避け,平日夕方に訓練を実施し,看護学生に模擬患者を依頼した。模擬患者には,救急救命士が特殊メイクを施し,演技の指導も行った。病院近くで100人以上が負傷し,徒歩でも患者が来院するという現実的なシナリオを用意した。病院職員,看護学生ともに事前の打ち合わせを行い,災害医療およ び訓練に関する知識を共有した。病院職員70名と看護学生40名に訓練前後で,アンケートと正誤問題に回答してもらった。訓練により,災害時の医療を理解している人数は増加し,有意義な訓練で,続けた方がよいという回答が大半であった。正誤問題の得点も上昇し,災害医療普及効果を確認できた。