日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
安全な放射線業務の実施に向けた,患者急変時における初期対応シミュレーションの報告
服部 光良
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2017 年 20 巻 1 号 p. 23-27

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抄録

背景:当院では診療放射線技師に向けた患者急変時対応の教育はなされておらず,知識・技術の習得が課題である。目的:シミュレーション実施による患者急変時の初期対応の知識・技術の習得である。方法:はじめに放射線診療下における患者急変時の不安要素を調べ,一般撮影室・CT室・MRI室で起こり得る状況を想定し,患者急変時対応シミュレーションを行う。また,シミュレーション前後に記述式調査を行い,効果の定量をする。結果:シミュレーション前では,院内コールをして終わる受講者が38%を占めていたが,シミュレーション後には0%となり,一次救命処置(Basic Life Support,以下BLSと略す)を実行するとの回答が50%,できることをするとの回答が50%となった。結語:放射線診療下でのシミュレーションにて,BLS,アレルギーの初期対応,搬出方法などを学ぶことで初期対応の習得になり,患者急変時の知識・技術が高まった。

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© 2017 日本臨床救急医学会
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