日本臨床救急医学会雑誌
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原著
救命救急センターにおける人工呼吸器の保守管理方法に関する検討
中村 郁香青木 光広小林 良三福田 充宏小濱 啓次
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2000 年 3 巻 2 号 p. 228-234

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抄録

救命医療において人工呼吸器は重要かつ使用頻度の高いME機器である。当センターでは,日常の人工呼吸器の保守管理を臨床工学技士を中心に,医師や看護婦が協調して行っている。今回,1993年1月から1997年12月の5年間に人工呼吸器に生じた異常を分析し,以下の結果を得た。①異常の内容は,換気量等の測定誤差,ツマミの破損や異音など,動作状態に影響を与えないものが大半を占めた。②二重に始業点検を行うことにより使用中の異常を軽減できた。③ほとんどの異常は院内で処理できたため装置の機能停止期間が短縮できた。今後は,異常発生時の現象,原因,処理方法などをさらに分析し,処理の効率化および安全教育の充実に努めたい。また,併設型救命救急センターにおいては,中央管理併用の個別管理により,現場の実情を把握したきめ細かい保守管理と,コストパフォーマンスを考慮した合理的な運用が行えると考える。

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© 2000 日本臨床救急医学会
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