日本臨床救急医学会雑誌
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総説
ローマ市における人口密集時の特設救急医療サービス体制
—とくに関連組織間連携の重要性—
森脇 義弘杉山 貢林 秀徳Giancarlo MosielloFrancesco CremoneseVittorio AltomaniMario Rastrelli
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2002 年 5 巻 1 号 p. 8-15

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抄録

ローマ市で,人口密集状態(キリスト教大規模集会,サッカー試合,鉄道の運行停止による駅でのパニック状態)における特設救急医療サービス(特設EMS)体制の構築作業を視察体験し,人口密集状態で効率的なEMSが展開可能である理由を考察した。ローマ市の特設EMSは,行為そのものに特殊なものはなかったが,1)実際の活動にいたるプロジェクトは公立組織である救急医療指令センター(指令センター)が中心となって構築するが,その活動は行政活動そのもので,単なる医療プロジェクトを超越した立場にあり,警察・その他の公共施設・行政など周辺機関との事前連絡が充実していた。2)大規模イベント当日の活動は警察やボランテイアが中心で,指令センター医師の主な業務はこれらの監督であつた。3)ボランテイア活動が有効に利用され,逆にイベント時の体制がボランティア団体に活動の場を提供していた。これらの点はわが国の緊急時のEMSにおいても学ぶべき点が多いと思われた。

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© 2002 日本臨床救急医学会
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