日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例・事例報告
サッカーの試合中に受傷した膝窩動脈断裂の1例
皆川 幸洋山田 裕彦佐藤 光太郎堀井 高文細谷 優子今井 聡子遠藤 重厚小泉 淳一中島 隆之川副 浩平
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 6 巻 5 号 p. 499-503

詳細
抄録

サッカーの試合中に相手と衝突し受傷した膝窩動脈断裂例はまれであり,本邦では検索することができなかった。症例は39歳,男性。ゴールキーパーをしていて相手と衝突し転倒した。右膝関節に相手の体が乗り,前後に圧迫される受傷機転により発症した。来院時,右下腿の腫脹,疼痛,冷感を著明に認め,足背動脈,後脛骨動脈を触知しなかった。血管造影で膝窩動脈の閉塞を認め,緊急手術を施行した。compartment syndromeの予防のため下腿内,外側に筋膜切開を置き,腹臥位にて膝窩動脈を小伏在静脈で置換した。筋腎代謝症候群の予防目的に持続的血液濾過透析を術中から1病日まで施行したが,その後の経過は良好であった。膝関節の外傷では,つねに膝窩動脈損傷を念頭におくことが重要であり,迅速で積極的な動脈造影検査,筋膜切開によるcompartment syndromeの予防,血行再建,術中からの血液濾過が救命のためには重要であると思われた。

著者関連情報
© 2003 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top