日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
急性喉頭蓋炎により上気道閉塞をきたした成人2剖検例
高須 修坂本 照夫福光 賞真黒木 美菜藤本 優谷川 健竹本 由美鹿毛 政義神代 正道
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2004 年 7 巻 3 号 p. 255-260

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抄録

急性喉頭蓋炎による上気道閉塞が死因となった2成人剖検例を経験した。症例1は55歳,男性。咽頭痛出現から4時間後,呼吸困難が増強し心肺停止。喉頭蓋舌側に膿瘍形成を伴う高度な炎症を認めた。症例2は54歳,女性。咽頭痛出現から11時間後,呼吸困難が出現し心肺停止。披裂喉頭蓋ひだに高度な炎症を認めた。気道閉塞機序として,前者は腫脹した喉頭蓋による気管喉頭口上方からの閉塞が,後者は披裂部・披裂喉頭蓋ひだの求心性腫脹による気管喉頭口の閉塞が推察された。本症は咽喉頭痛を初発症状とし,そのうち約10%に急速な気道狭窄症状が出現する。Preventable deathをなくすためには,気道閉塞機序を含め本症を熟知し,初期症状から疑うこと,喉頭蓋とともに披裂・披裂喉頭蓋ひだの腫脹を評価すること,呼吸状態を厳重に観察し外科的手法を含めた気道確保の時期を逸しないことが重要と考えられた。

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© 2004 日本臨床救急医学会
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