2022 年 2022 巻 3 号 p. 189-192
本稿では,高等学校英語科教育の研修を受けた教員が,所属校において研修の成果を活用する際のパターンについて考察したものである.時任・藤井ほか(2020)の内容にデータを追加し,再分析した結果の中間報告を行う.A県~D県の国公立高等学校に勤務する20名の英語科教諭を対象にインタビューを実施し,再分析した結果,(1)個人内活用(2)部分的な水平的拡がり(3)学年全体への水平的拡がり(4)一部の学年での垂直的拡がり(5)全学年での垂直的拡がりが研修成果の活用パターンとして明らかになった.また,その要因について分析した結果,教員の教育方法に関する「一定の取り決め」と「教育方法の自由裁量」や「担当者間の議論と合意」などが明らかになった.