-
泰山 裕, 小野塚 若菜
2022 年 2022 巻 3 号 p.
1-5
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
言語能力向上を目指した実践を行うために中学校版言語能力Can do Statementsを開発した.本研究では,開発したCan do Statementsの妥当性を検証するために,教科ごとの専門家による検証と学力調査による測定対象能力との対応づけを行った結果を報告する.
抄録全体を表示
-
髙原 杏佳, 山本 朋弘
2022 年 2022 巻 3 号 p.
6-12
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,1人1台端末を用いて,オンライン上でデジタル新聞の制作と学校間での交流を行い,「制作前」「制作後」「交流後」において,児童の意識変化等を比較検討した.その結果,共同制作を行うことにより,情報を集め整理することや情報の中から問題を見つけ,計画を立て学習することへの児童の意識が高まったことが示された.また学校間での交流を行うことにより,自分の考えを深め,広げることや,相手や目的に応じ,情報を分かりやすく伝えるための工夫への理解が深まることを明らかにした.
抄録全体を表示
-
齋藤 ひとみ, 園木 裕貴
2022 年 2022 巻 3 号 p.
13-19
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
プログラミング教育と理科での探究的な学習において,問題解決のサイクルを同じ枠組みで捉え,児童が自身の問題解決過程を可視化することで,問題解決の方法や手順の振り返りや理解を支援する授業を実践した.小学校5年生の児童が,理科の天気の単元と総合的な学習の時間のプログラミング教育の授業において,問い,予想,計画,実行,分析,考察での自身の活動や考えを記録し,授業の最後にそれらを振り返った.実践の前後に収集した問題解決や情報活用能力に関するアンケートから実践の効果や課題が明らかになった.
抄録全体を表示
-
-数と計算領域「数量やその関係を式に表そう」を対象として-
井澤 美砂, 手塚 和佳奈, 泰山 裕, 佐藤 和紀
2022 年 2022 巻 3 号 p.
20-25
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,算数科教科書における思考スキルを抽出し,その特徴について考察することを目的に,小学校第6学年の算数科教科書における,数と計算領域の一単元について,19種類の思考スキル(泰山ほか 2014)を基に分析を行った.結果,文章を文字式の形に表す場面が多く,「変換する」スキルが全体の26.5%を占めた.また,図形領域の一単元を対象とした先行研究(井澤ほか 2022)に比べ,児童主体の思考スキルの抽出割合が多かったことから,問題解決の方法を見出す活動の中で思考スキルが活用されていることが示唆された.
抄録全体を表示
-
木村 雅代, 矢野 孝一
2022 年 2022 巻 3 号 p.
26-33
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
関係人口増加を目指して,子どもたちによるインターネットラジオ番組の制作・発信に取り組んでいる.人口1万人の兵庫県神河町をフィールドに,全校児童17名の小学校で「出前授業」と「収録」を繰り返し,その第一回目の配信を終えた.それは,ラジオの特徴,発声,呼吸法などを一緒に学び,「まちの宝物」をそれぞれが探求し言語化を行ない,子どもたち自身により,豊かなまちの風景を世界へと発信することができたものである.本稿では,ICTを活用することで拡がるこどもたちの可能性と,ラジオという聴覚媒体の教育への有効性について報告する.
抄録全体を表示
-
長田 尚子, デイヴィス 恵美, 髙尾 郁子, 神崎 秀嗣, 田中 浩朗
2022 年 2022 巻 3 号 p.
34-41
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
継続的な授業改善を支援するために,実践コミュニティの存在が重要な役割を果たすとされている.しかしながら,実践コミュニティを誰がどのように構築するのか,そこで参加するメンバーはどのように行動するのか,そこでの行動によってコミュニティがどのように発展するのか,等については十分解明されていない.本研究では,相互研修型大学横断型FDの機会を通じて発展した実践コミュニティについて,当事者によるパターン・ランゲージの開発活動における談話例を用いて考察を深め,FDの領域における実践コミュニティ研究に関する課題を明らかにする.
抄録全体を表示
-
篠崎 祐介, 三上 剛, 尾田 龍司, 幸坂 健太郎, 佐藤 正直
2022 年 2022 巻 3 号 p.
42-48
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
複数のテクストを読み比べることの重要性が国語科教育において認識されている.しかし,教員個々が複数のテクストを教材として用意する負担は少なくない.そこで,ある教材と関連性の深い教材を,教員が容易に検索することのできるシステムの開発を目指している.本発表では,教材間の内容・テーマ的な関連性の深さを数値化するモデルを生成し,その数値により選出される教材が国語科教員の感覚に近いかを評価する手法を検討する.
抄録全体を表示
-
石井 康博
2022 年 2022 巻 3 号 p.
49-55
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
具体物としての貨幣利用の意味を検討する.算数科においては子どもの操作活動において数のブロックが利用されてきた.日本では10構造の計算で10を一つのかたまりとは見なすことができずに,数えるための対象となる場面が見られる.具体物には見た目,あるいは操作性の視点では解釈できない側面があると考えた.そこで子どもが具体物を利用する際にインタフェースの枠組みで捉えることの可能性,さらには貨幣を利用する意味をインタフェースにおける二重接面のモデル(佐伯 1988)を援用して検討する.
抄録全体を表示
-
山本 真優, 山本 朋弘
2022 年 2022 巻 3 号 p.
56-61
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,小学校音楽の授業において,情報端末でWebアプリを用いて音楽づくりを行う学習が,従来の楽器での学習と比べて,学習効果が異なるか比較分析を行った.情報端末でWebアプリを用いた音楽づくりの検証授業では,児童らは従来の楽器による学習と同様に旋律を作成することができ,鑑賞活動を行うことができた.児童向けの意識調査等を分析した結果,音楽づくりのしやすさにおいて,情報端末による学習が楽器による学習より有意に高い結果となり,児童が音楽づくりに取り組みやすいことを明らかにした.
抄録全体を表示
-
-公立高校における学習者用端末の整備状況から-
田中 友理
2022 年 2022 巻 3 号 p.
62-69
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
学校における教育の情報化については,学校の各教科等の指導等における情報通信技術(以下,ICT)の活用,教員のICT活用指導力といった実践面に焦点が当てられることが多く,学習環境を支える各地方自治体教育委員会の役割や機能については,未だ明らかになっていないことが多い.そこで,本稿ではGIGAスクール構想「公立高校における端末の整備」を取り上げ,文部科学省から各地方自治体教育委員会へ行われた働きかけを概観し,地方自治という観点から内在的な教育委員会事務局の機能について考察する.
抄録全体を表示
-
木本 圭一, 佐野 芳枝
2022 年 2022 巻 3 号 p.
70-73
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本報告は,コロナ禍下で実施した2020年度のオンライン(同期)あるいは2021年度のオンライン(非同期)のグループワーク実践と2019年度の対面のみの実践を比較し,それらの成果を踏まえ,2022年度の対面のグループワークに,オンライン(同期・非同期)グループワークを時間外学修として活用した実践内容とその効果について明らかにし,課題についても提示するものである.グループワークは,本学国際学部で開講されている「ベンチャービジネス創成」において,リーン・キャンバスを活用したビジネスプラン作成に対して行なわれている.
抄録全体を表示
-
梁 辰, 王片 桐望
2022 年 2022 巻 3 号 p.
74-78
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,日本語母語話者における声調知覚能力を向上させるため,再生法を用いたメソッドを学習ツールに取り込んだ.2ヶ月間にわたり学習者に訓練を受けさせ,学習ツールが声調知覚能力に与える効果の有無について検証した結果,本学習ツールが声調知覚能力の改善に直接的な影響を与えるとは言えないものの,声調学習に対する学習意欲を向上させることが示唆された.その後,学習者によるフィードバックに基づき,学習メソッドとツールの見直しを行った.さらに,3週間にわたり52名(最終的に45名)の学習者に実験を受けさせ,ANOVA(分散分析法)による事前・事後・遅延テストを行った結果,実験群の成長率に統計的有意義な差があり,本学習ツールは声調知覚能力の向上に良い影響を与えることが示唆された.
抄録全体を表示
-
真弓 英彦
2022 年 2022 巻 3 号 p.
79-83
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
高等教育における全学共通科目では概ね複数教員による授業が実施されており,大学全体での教育の質的向上を実現するためには,教員間の授業格差を極小化して授業品質の平準化を図る必要がある.本研究は本学独自の課題も考慮したうえで,担当する複数教員間の情報連携,シラバスおよびテキストの共通化,ルーブリックの共有によって学習支援に取り組んだ成果や更なる課題を整理した.
抄録全体を表示
-
山本 あすか, 尾関 基行, 和泉 志穂
2022 年 2022 巻 3 号 p.
84-90
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
学んだことを発信して記憶に定着させるアウトプット型学習の一つにTwitterを利用したTweet-to-Learnがある.我々は,Tweet-to-Learnの発信状況を学習者グループ単位でウェブページに一覧表示することで,学習者のモチベーションを維持する方法について研究してきた.本稿では,学習者26人を対象に行った先行実験において,「発信を継続できなかった理由」と「どうすれば発信を継続できそうか」の2点を明らかにするために追加で実施した半構造化インタビューについて報告する.結果より,発信を継続できなかった理由としては,発信内容や文章力に対する自信のなさ,学びのテーマの選び方,および,不特定多数のユーザーの存在が影響していたことがわかった.どうすれば発信を継続できるかについては,他人との比較ではなく過去の自分と比較できるようにすることが効果的である可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
森 裕生, 松下 侑輝
2022 年 2022 巻 3 号 p.
91-96
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
グループプレゼンテーションを行う大学初年次教育科目において,自身の発表動画を活用した振り返り課題を実施した.発表動画の視聴ログと振り返り課題の内容を分析した結果,学生の発表動画の視聴タイプは(1)複数回視聴,(2)1度のみ・全範囲,(3)1度のみ・部分的,(4)未視聴の4タイプに分かれることが分かった.さらに,振り返り課題の内容を分析した結果(1)複数回視聴の学生の記述量が比較的多く,動画の時間経過や他者の指摘の内容を振り返りの具体的な理由・根拠として記述していることなどが明らかになった.
抄録全体を表示
-
田邉 鉄
2022 年 2022 巻 3 号 p.
97-100
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
海外語学研修は,語学力向上の他にも,体験的に異文化間能力を養成し,国際社会を生きる大学生の可能性を広げる意味がある.コロナの影響で,海外留学が困難になり,様々な「留学代替活動」が構想・実践されているが,その多くは英語を対象としたものである.本研究は初習外国語の「留学代替活動」に向けた取り組みから,その可能性と限界を探る.
抄録全体を表示
-
溝口 侑, 前川 悠, 古賀 友樹
2022 年 2022 巻 3 号 p.
101-108
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
「居場所」としてのラーニングコモンズに着目し,桐蔭横浜大学を事例として,学生エンゲージメント・大学生活充実度との関連を検討した.その結果,ラーニングコモンズを協働して学習する場として利用している学生が多いことが明らかにされた.そして,ただ友人としゃべるのではなく,勉強を教えてもらうことや一緒に発表の準備をするなど,協働して学習する目的でラーニングコモンズを利用することと,情緒的エンゲージメントに関連が見られることが示された.
抄録全体を表示
-
-北京大学と上海交通大学の事例を手がかりに-
蒋 妍, 馮 菲, 劉 衛宇
2022 年 2022 巻 3 号 p.
109-116
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
日本では,TA制度を導入している大学が増えてきており,TAの育成が課題とされている.どんな内容で構成され,どのように評価されるべきかは,現場の担当者に必要とされるにもかかわらず,あまり体系的に検討されていない.そこで,本稿は,現在中国で実施されているTA育成プログラムの形態と内容を整理し,日本のTA育成プログラム開発の基礎資料として示唆を与えることを目的とする.まず,中国のTA育成に関する制度を概観した.次に,中国の北京大学と上海交通大学のTA育成プログラムを対象に,TAの身分,業務内容,育成プログラムと評価の4つの観点からら検討を行った.最後に,日本と比較しながら,考察を行った.
抄録全体を表示
-
神屋 郁子, 財津 玲奈, 下川 俊彦
2022 年 2022 巻 3 号 p.
117-121
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
大学の授業において,教員が学生の授業の理解度や学習の進捗状況を知ることや,理解できていない問題を解決し,学生の理解度を向上させることは教育上重要なことである.これまでに我々は,大学の演習科目における学生の理解度や進捗状況を把握する授業支援システム「サポちゃん」を開発してきた.従来サポちゃんは対面授業を想定していた.しかし,現在,遠隔授業やハイブリッド授業といった形態の授業が広まってきた.そこで,そのような授業形態でも,理解度や進捗状況を把握可能にするシステムを開発する.
抄録全体を表示
-
矢野 孝一, 武田 亘明
2022 年 2022 巻 3 号 p.
122-127
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
日本の大学は,新興国の産業振興を支援する為の世界規模での人材育成の役割を担うことを期待されている.その為のグローバル循環型人材育成体制の整備と教育プログラムのデザインが急がれる.本学では,JICAの支援を受けて,アフリカや中東そしてアジアからも留学生を受け入れ,人材育成教育の後,自国へ戻り産業振興や起業を担う人材育成および継続的支援に取り組んでいる.本稿では,日本人学生を含めた学生の国内地方での研究活動と留学生などとの相互連携によるグローバル循環型人材育成プログラムの取り組みの現状と課題について報告する.
抄録全体を表示
-
加藤 奈穂子, 尾澤 重知
2022 年 2022 巻 3 号 p.
128-135
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,グループ学習型アクティブラーニング授業の学習支援活動に携わるTAの支援活動の特徴を明らかにすることである.そのために,大学院生1名,大学生4名を対象とし半構造化インタビューを行いM-GTAにより分析した.その結果,本研究の対象となった研究協力者は,TAの学習観や成長,先輩後輩TAから得た学びを【支援活動の源泉】とし,進捗確認,ポジティブフィードバック,リフレクションの支援,目標のストレッチを組み合わせた【受講生への学びの促進活動】と【教員との創発的分業】を行っていた.
抄録全体を表示
-
吉川 幸
2022 年 2022 巻 3 号 p.
136-141
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,今日的社会問題への批判的思考・態度を醸成することを目的としたPBL科目において,地域社会からの参加者の関与方法が履修者にどのような効果をもたらすかを検討している.対象科目は講義室での授業実施が制限された2020年度に新規開講し,同時双方向型オンライン会議システムを使用して地域社会とのコミュニケーションを行ってきたものである.2022年度は希望者のみを対象としたフィールドワークを初めて実施した.3か年に渡る授業設計を考察する.
抄録全体を表示
-
佐々木 伸, 須田 裕介
2022 年 2022 巻 3 号 p.
142-149
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
北海道大学ラーニングサポート室が実施する,主に初年次学生を対象とした個別学習相談および自習用補助教材の利用状況に基づき,コロナ禍を通して学習支援の利用傾向や利用層がどのように変化してきたかを考察する.特に,個別学習相談の利用目的の変化を,正課授業および学習相談の実施形態等と結び付けて議論し,今後の学習支援の方向性を検討する.
抄録全体を表示
-
-教員の手立ての変化と学生の発言,記述の変化に着目して-
栫井 大輔
2022 年 2022 巻 3 号 p.
150-157
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
近年,授業行為の検討のみに終始せず,何が本質的な問題なのかを掘り下げる局面をもつ,より深い省察の仕方が重要となっている.本研究では,より深い省察を行うための大学教員の役割を明らかにすることを目的とする.この目的を達成するために,模擬授業後の協議会における教員の板書や発問と,学生の協議会の発言内容や協議会後のリフレクションシートの記述内容の関連を分析し,大学教員の協議会における役割を検討した.
抄録全体を表示
-
福山 佑樹
2022 年 2022 巻 3 号 p.
158-161
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
ナラティブ・アプローチに基づいたキャリア・カウンセリングが注目されている.本研究ではナラティブ・アプローチの一手法であるリフレクティング・プロセスを援用した「書くこと」と「参加者同士」での実施に注目したゲーム教材を用いた実践を行った.実践の結果,参加者はゲームを通じて「ゲームで他者の物語を作成して発表する」という「外的会話」と「ゲームで他者が作った自分の将来についての物語を聞く」という「内的会話」の双方を自身の将来を考えるきっかけとしたことが分かった.
抄録全体を表示
-
井田 志乃, 西田 若葉, 内田 保雄
2022 年 2022 巻 3 号 p.
162-167
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
プログラミング教育において和算を題材にすることによる教育援用の可能性を探求している.本調査の目的は,プログラミング初学者に対して和算を題材としたプログラミング課題を課す際に,歴史的な背景の情報とともに提示した場合としなかった場合では,プログラミング課題に対する印象が異なるのか,異なる場合はどのような違いがあるのかを明らかにすることだ.本調査では,大学生を対象にProcessingでの図形描画課題に対する印象をSD法を用いたアンケート調査を実施し分析した.
抄録全体を表示
-
武田 亘明, 片山 めぐみ
2022 年 2022 巻 3 号 p.
168-175
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
地域コミュニケーション活性化を目指したコミュニティデザインを実践的に学ぶために,地域連携による実行委員会を設立して地域連携プロジェクト「芸術の森マルシェ」に取り組んでいる.それは地域の農家による朝市と学生サークルのアートマーケット,授業で開発したコミュニティ・カフェ企画,地域の子どもや市民の交流の場作りと手作り品作成ワークショップなどを組み合わせたものであり,行政や大学,町内会や福祉協議会などが協力しているものである.地域連携型プロジェクトのデザインについて概観し,「芸術の森マルシェ」事業の現状と課題について報告する.
抄録全体を表示
-
仙石 昌也, 宮本 淳, 橋本 貴宏, 久留 友紀子, 山森 孝彦, 山下 敏史
2022 年 2022 巻 3 号 p.
176-183
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
クラウド(Googleドキュメント)の変更履歴を基に,改良型「リビジョンマップ」を使って,協働ライティングレポートの作成プロセスを可視化した.これによりグループの協働状況の概要が把握できた.指標となり得るデータを算出し,遠隔コミュニケーションを余儀なくされた2020年度と通常の対面授業だった2018年度を比較した.その結果,グループの協働状況や個人の貢献度を示す指標には有意差はなかったが,貢献度の著しく低い学生の有無については差があった.比較により,クラウドを使ったレポート作成においては,制限されたコミュニケーションの中でも変わらず協働できたことが示唆された.
抄録全体を表示
-
福島 泰子, 羽田野 真, 大川 直哉, 山本 雅基
2022 年 2022 巻 3 号 p.
184-188
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
ガソリンエンジンからモータへの置き換えが進む自動車産業では,会社事業の変革に伴い,機械系技術者がソフトウェア技術者へキャリアシフトする動きが始まっている.未経験のソフトウェア分野へ挑戦する機械系技術者のキャリアシフトを成功させるためには,ソフトウェアの技術教育に加えて,技術者同士が教え合い,学び合う環境の構築と提供が必要であると考えた.本稿では,企業と大学が協働して行っているキャリアシフト教育の学習支援の取り組みを紹介し,学習支援による技術者の成長と,今後の取り組みについて報告する.
抄録全体を表示
-
-英語科教育の事例-
時任 隼平, 藤井 佑介, 泰山 裕, 寺嶋 浩介
2022 年 2022 巻 3 号 p.
189-192
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本稿では,高等学校英語科教育の研修を受けた教員が,所属校において研修の成果を活用する際のパターンについて考察したものである.時任・藤井ほか(2020)の内容にデータを追加し,再分析した結果の中間報告を行う.A県~D県の国公立高等学校に勤務する20名の英語科教諭を対象にインタビューを実施し,再分析した結果,(1)個人内活用(2)部分的な水平的拡がり(3)学年全体への水平的拡がり(4)一部の学年での垂直的拡がり(5)全学年での垂直的拡がりが研修成果の活用パターンとして明らかになった.また,その要因について分析した結果,教員の教育方法に関する「一定の取り決め」と「教育方法の自由裁量」や「担当者間の議論と合意」などが明らかになった.
抄録全体を表示
-
中原 百音, 山本 朋弘, 横山 誠二
2022 年 2022 巻 3 号 p.
193-200
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,小学校第4学年の体育授業「跳び箱運動」において,1人1台情報端末を活用して授業の様子を撮影し,撮影した映像データを家庭に持ち帰り,視聴して振り返りを行うことが,児童の学びにどのような効果をもたらすのかを検討した.家庭への持ち帰りの前後での児童向け意識調査や学習シートの記述を分析した.その結果,児童が授業映像を家庭で視聴することで,授業以外にも振り返ることができ,個人の動きやその改善点への気づきを高めるのに有効であることが示された.一方で,持ち帰り時に使用した映像は,初回の映像,本時の映像,模範映像を使用したが,それぞれの効果を検討する必要がある.
抄録全体を表示
-
松田 稔樹
2022 年 2022 巻 3 号 p.
201-208
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
教職課程コアカリキュラムの「総合的な学習の時間の指導法」や「教育課程編成の指導法」は,単元指導計画の作成を扱うよう求めている.筆者の大学では,これらに加えて「教育の方法及び技術」で指導する指導案作成も関連づけ,教育課程から1時限の授業まで,階層的に整合性のある設計をするよう指導している.その基盤となるのが,「総合的な学習の時間」や教科の探究活動がうまく機能していない原因を解消するための新・逆向き設計手法である.本稿では,この設計法をより効果的に指導する取り組みとその成果について報告する.
抄録全体を表示
-
櫻井 純代, 伊藤 大輔, 磯部 征尊
2022 年 2022 巻 3 号 p.
209-216
発行日: 2022/10/03
公開日: 2022/10/03
研究報告書・技術報告書
フリー
本実践は,第1著者の勤務校において,小学1年生を対象に表現力,思考力の向上を目指した教育実践研究である.新学習指導要領で求められている学級経営の充実に向けては,学級力向上プロジェクトを取り入れた.また,支持的風土の中で,子供が意欲的に学べる授業づくりの開発・実践を行い,その有効性をCRT教研式標準学力検査の結果(教科横断的な資質・能力が求められる問題)を基に分析・考察した.
抄録全体を表示