日本教育工学会研究報告集
Online ISSN : 2436-3286
教科等横断型授業が教員間のコミュニケーションを通して立案に至るプロセス
二橋 拓哉
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2023 年 2023 巻 1 号 p. 97-104

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抄録

本研究の目的は教員間のコミュニケーションを通して教科等横断型授業立案に至るプロセスを明らかにすることによって,教科等横断型授業の立案プロセスへの示唆を得ることである.そこで教科等横断型授業に課題意識を持つ教員6名を対象にインタビュー調査を実施し,その逐語録を修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて分析した.その結果,以下の点が明らかになった.1)教員が教科等横断型授業に課題意識を持つのは,生徒が抱える多様な課題に対応し,彼らのためになる授業を提供したいという使命感からだった.2)教科等横断型授業の立案プロセスにおいて,横断する教科は,教員間の人間関係が構築される中で決定された.3)教員間のコミュニケーションの中で,一貫して「生徒のために良い授業がしたい」という思いがあり,立案プロセスの中で「そのために自分は何ができるのか」が明確になっていく.

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© 2023 日本教育工学会
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