2023 年 2023 巻 1 号 p. 133-140
近年,グループワークにおける教師の適切なモニタリングの重要性が高まっている.しかし,モニタリングの情報として重要なグループの会話データを収集した上で,学習上重要な情報として可視化するシステムは少なく,それが教師のモニタリングに与える影響は明らかにされていない.そこで本研究では,支援が必要なグループワークを判定するシステムは,教師の授業中のモニタリングにどのような影響を与えるかを調査した.システムについては,グループの会話の停滞度合いを判定できるSumikawa et al.(2022)および池尻ほか(2022)のシステムを用いた.小学校5年生の社会科の授業を対象に,本システムの有無で教師のモニタリングを分析・比較した結果,議論の停滞度合いをもとにしたモニタリング対象の変化と,クラス全体の議論の停滞度合いに関するモニタリングと全体への介入に影響があることが確認された.