老年歯科医学
Online ISSN : 1884-7323
Print ISSN : 0914-3866
ISSN-L : 0914-3866
三島市歯科医師会における在宅者訪問歯科診療への取り組み
栗原 由紀夫小野 毅鈴木 郁夫平川 彰生
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 12 巻 1 号 p. 61-66

詳細
抄録

三島市歯科医師会では, 三島市と協力して平成3年4月1日より在宅者訪問歯科診療事業を開始し, 平成8年12月31日までの5年9ヵ月間, 128名の患者の診療に従事した。
総患者数128名のうち男性51名, 女性77名, 65歳以上の患者は106名 (82.8%), 寝たきり度ランクJ10名, A35名, B40名, C35名であった。寝たきり原因疾患は, 脳血管障害が32.8%と大部分をしめ, また, ADLの状況では, 全面介助を必要とする患者が37名いた。介護者は, 患者の配偶者が40.6%であった。
主訴は, 義歯に関係するものが67.5%と大部分をしめ, 平行して処置内容も義歯製作, 義歯調整, 床裏装などが圧倒的多数をしめていた。
本会の在宅診療事業については, 当初より社会保険三島病院の全面的な協力がある。本病院の役割は研修機能と, 後方機能として不測の事態発生時の患者受け入れがある。
本回の在宅診療事業は, 実施主体である歯科医師会, 三島市 (行政), 社会保険三島病院 (後方支援) の3者が協力しあって, 円滑に運営されている。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top