2026 年 64 巻 1 号 p. 58-73
対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアルにおいて観察対象臓器は食道・胃・十二指腸球部と明記されており, 問診項目には胃以外に咽喉頭・食道・十二指腸疾患の既往歴, 治療歴がある。一方, 当学会の2011年の新・胃X線撮影法ガイドラインでは胃に関する8体位が基本とされ, 対策型検診における食道の扱いは透視観察の際, 有所見であれば撮影とされているのみである。対策型胃がん検診では対象範囲に制限があるが, 任意型検診では上部消化管検診としての検査結果を受検者へ情報提供することが重要であり, X線診断は食道をはじめ, 咽頭・十二指腸のスクリーニングにおいても有意義な情報を獲得し得ることを認識したい。本稿では胃X線検診の際, 同時に診断可能な範囲に含まれる咽頭・食道・十二指腸疾患のX線診断について日常遭遇する所見を中心に読影の基本と実際について記載する。