日本消化器がん検診学会雑誌
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総説
広島県における膵癌の早期診断に向けた取り組み
芹川 正浩石井 康隆岡 志郎
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2026 年 64 巻 2 号 p. 142-151

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抄録

浸潤性膵管癌(いわゆる膵癌)の予後は極めて不良であり, 膵癌は最も難治性の癌種としてよく知られている。一方で, 近年小さい腫瘍径の段階で診断できると飛躍的に予後が改善することが報告され, 膵癌の予後改善には早期診断が必要不可欠であることが示された。すなわち早期の段階で膵癌をいかにして拾い上げ, 診断に必要な検査を過不足なく施行し, そして治療に結び付けることができるかが今後の大きな課題となる。このたび2023年1月より広島県全域において, 膵癌早期診断(Hi-PEACE)プロジェクトを開始する運びとなった。本プロジェクトの趣旨は, ①症状にとらわれず, 膵癌の危険因子と画像による間接所見から早期の膵癌を拾い上げること, ②県全域の二次医療圏毎に, かかりつけ医と地域中核病院を結ぶ円滑な医療提供体制を構築することである。こうした県全域の取り組みにより, 膵癌をより早期に診断し, 膵癌の予後の飛躍的改善や新たな膵癌早期診断マーカーの確立につながっていくことが期待される。

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